墨坪は重要な大工道具の一つです。
坪車に巻かれた糸の先端に結んだカルコを材木に差し、糸を引き出します。
この時、糸はいけの中の墨を浸した綿を通るため墨を含みます。
糸を必要な長さに引き出して張り、指で抓んで打てば真っ直ぐな線を引くことが出来ます。
長い間、大工さんは自分の使うものは自分で作っていたといわれます。
それが近代になって、専門の墨坪職人によって作られるようになったものです。
ここでは、
金物の街・三条の職人が作った名品
をご紹介します。
大阪に坪米という名人がおり、その人の型を模して造ったものです。
型が簡潔で使いやすいように、中ほどが細く造られています。
車の下の彫り込みに特徴があります。
先端が巻いてあるのを差して巻き若葉と言い、ここは二段になっています。
先の巻きが一段で、車の横も普通の彫りです。
車の脇の葉の模様も後方に伸ばしている部分は筋彫りです。
鶴亀坪が高価なため、若葉坪との間を埋める品として需要があります。
東京の坪貞という職人の型を模したものです。
特徴は尻尾の巻き方が違う、池の後ろの淵に付く渦と脇の波型に特徴があります。
亀彫の後ろが舟の形をしています。
鶴亀坪は、若葉坪に単に鶴亀を載せたものから、職人によりさまざまな細工がされたものまで、さまざなランクがあります。
これは坪昭ブランドの普通の鶴亀坪です。
この坪の脇の彫は坪豊という人のものを写したものとのことです。
写真の材料は欅の木目の良いものを使っています。販売するのは普通の材料を使ったものになります。
三味線の形を坪にしたものです。
材料は欅の堅目の部分を使います。
舟形坪は亀彫をアップしていましたが、若葉型で出来ないかとのご希望があり製作したものです。
※参考品
職人技が生きる傑作。
大きいのに、珍しく頭から尻尾まで上杢です。
(非売品)
きわめた逸品.jp